今住んでいる賃貸の防音性が悪く、隣からの騒音でストレスを抱え引っ越しを検討している方は多くいるのではないでしょうか。
私自身も防音性が悪い物件に住み隣からの騒音で何度か引越しを経験しました。
例えば、
- 毎朝は隣からの目覚ましで起こされたり
- 明け方まで電話等の話し声
- テレビの音
、、、他にも生活音なのでしょうがないのですが、トイレの流す音、まな板で物を切る音、フライパンで炒める音等々、ほぼ何でも聞こえる物件に住んだことがあります。皆さんも同じような騒音を経験していることはあるのではないでしょうか。
国土交通省の「マンション調査 平成30年度」によると、騒音によるトラブルが約38%と多くいます。特に今一軒家の実家暮らしで初めて一人暮らしをしようと考えている方は今まで隣からの生活音に慣れていない為、防音性の悪い物件に住むと隣等の騒音でかなりのストレスとなります。
防音性が悪い物件から引っ越そうにもまた防音性が悪い物件へ引っ越してしまったらどうしようかと悩んでいる方へ向けて、この記事では、防音性の高い物件に住む為の12の注意事項を紹介します。
『賃貸サイトでの防音性の高い物件選び6つ』、『内見時の注意点6つ』に分けて紹介しますので、今現在騒音で悩んでいる方やこれから一人暮らしを始めようとしている方は是非参考にしてください。
1.防音性の高い物件選ぶには
①建物の構造(木造・鉄骨・鉄筋コンクリート)
②角部屋、最上階
③築浅物件
④分譲賃貸
⑤近隣の環境
⑥口コミの確認
2.内見時の注意点
①内見は居住者がいる時に
②壁の厚さ
③梁、柱の有無
④壁の造り
⑤床下・天井の厚さ
⑥近隣の環境
3.防音性の高い物件には住むには
それではどうぞ!!
防音性の高い物件選ぶには

防音性の高い物件選びには下記の6つを意識しましょう。
①建物の構造(木造・鉄骨・鉄筋コンクリート)
②角部屋、最上階
③築年数
④分譲賃貸
⑤近隣の環境
⑥口コミの確認
建物の構造

●鉄骨造り
●鉄筋コンクリート造り
防音性が高いのは、木造り< 鉄骨造り< 鉄筋コンクリート造りの順番です。
防音性には壁の厚さと重さが関係しており、壁の厚さは厚ければ厚いほど、重ければ重いほど、防音性が高くなります。
それぞれの壁の厚さは『木造り:約10cm』、『鉄骨造り:10~15cm』、『鉄筋コンクリート造り:15cm以上』で、また、重さはコンクリートが一番重たい為、鉄筋コンクリート造りが防音性が高いです。
※ただし、家賃も木造り、鉄骨造り、鉄筋コンクリート造りの順で高いので注意が必要です。
例えば、壁の厚さが12cmと15cmでの遮音性能は、
- 壁の厚さ12cm:45db(デシベル)
- 壁の厚さ15cm:50db(デシベル)
と言われており、たったの差5dbかよと思いますが、音の大きさとしては1.78倍も変わってきます。
私自身、木造、鉄骨造りに住んだことがありますが、隣からの音は丸聞こえで何をしているかもわかるぐらいでした。トイレの流す音だったり、フライパンで炒めている音まで聞こえてましたからね。一番最悪なのは他人の目覚ましで起こされることでした。それも毎日数十分と鳴らされ続けてました。
角部屋・最上階

●最上階:上からの足音や物を落とした音等が聞こえない
通常であれば左右上下の4つの部屋から囲まれていますが、角部屋・最上階でれば2つも騒音となる原因が減ります。特に角部屋の場合は、隣と面している方に家具やテレビを置いてしまえば騒音もだいぶ軽減します。
築年数

今の鉄筋コンクリート造りの壁の厚さは15cm以上ですが、築30年以上の場合コンクリート造りであっても壁の厚さが12cmの可能性もあります。
壁の厚さ12cmとは鉄骨造りと変わらない為、できれば築20年以内の鉄筋コンクリート造りの物件を選んだ方が壁の厚さが15cm以上あり防音性が高くなります。
分譲賃貸

賃貸物件はマンション一棟が同じ所有者ですが、分譲賃貸の場合はそれぞれの部屋ごとに所有者が異なります。
販売用のマンションである為、賃貸用のマンションと比較して、グレードが高く、壁の厚も分厚かったり、床・天井に対しての防音性も高いです。
近隣の環境

●電車の線路
●交通量の多い道路、高速道路
●学校、公園
●消防署、警察署、大きな病院
●工場、、、等
物件ばかり目に行きがちですが、物件の周辺環境も重要な確認事項となります。
例えば、
- 電車の線路が通っていた場合、朝から深夜まで車両が通過する音
- 交通量の多い道路、高速道路ではトラックの排気音、振動
- 学校や公園では、休日でも朝早くから部活等の練習があり声で起きたり
- 病院や消防署、警察署が有った場合、深夜に緊急車両のサイレンで起きたり
- 工場では鉄板等の裁断機による音
周辺環境は地図、ストリートビューで必ず確認をし音が出る環境であるか確認しましょう。
口コミ
マンションノートというサイトで賃貸物件について元住民の方等が口コミが書かれている場合がありますので、『物件名+マンションノート』で検索をすれば、口コミが書かれている場合ヒットされます。
複数人の元住民の方が防音性が良いという口コミが書かれていれば、かなり防音性は高いと期待して良いと思います。
↓がマンションノートのサイト
日本最大級のマンション口コミサイト – マンションノート (mansion-note.com)
内見時の注意点

内見時の注意事項として下記6つのです。
①内見は居住者がいる時に
②壁の厚さ
③梁、柱の有無(密閉性)
④壁の造り(ノックする)
⑤床下・天井の厚さ
⑥近隣の環境
内見は居住者がいる時に
●平日だと居住者がいない為、防音性がわからない
内見を予約する時間帯は、居住者がいる土日の昼に行いましょう。
居住者がいない時間帯に内見をしても静かなままで生活音がするのかどうか判断できませんので、居住者がいる休日の時間帯に行い生活音がするのかを判断しましょう。
壁の厚さ
●ベランダの窓:隣との窓がどの程度離れているのか
隣との壁の厚さで防音性を高いのか・低いのかが決まるので重要です。壁が厚ければ厚いほどよいですが、最低でも15cm以上の厚みは欲しいです。

例えば、画像のような真ん中の玄関だと、扉の位置がくっついておりほとんど壁の厚さを感じられません。
また、一番左側の玄関扉と左から2番目の玄関扉が離れているから壁の厚さが厚いとも限りません。間取りによって扉が離れているように見えても『真ん中の扉』みたく壁が薄いかもしれません。その為、ベランダに出て窓と壁の位置を確認しましょう。
例えば、赤色枠の部屋を内見する場合、窓と壁の位置(赤色破線)を確認すれば、隣の黄色枠の部屋も窓から壁の距離は同じなので、壁の厚さは予想できます。

玄関扉の位置だけだは無くベランダにでお互いの窓の位置~壁の距離も確認し壁の厚さを予測しましょう。
梁、柱の有無(密閉性)
②ラーメン構造(柱・梁有り):①より防音性劣る
壁式構造、ラーメン構造なんか難しい言葉が出てきてわけわからんと思いますので下記の画像をみればわかるはずです。

ラーメン構造は部屋に柱・梁がありますが、壁式構造は部屋に柱・梁が無くスッキリした部屋です。
防音性が高いのは壁式構造です。理由は柱・梁があると耐震強度を上げる為、スリットという切れ目がありそこから音が漏れてしまいます。
内見時に柱・梁が有るのかの確認と柱・梁があった場合は声が反響するか確認しましょう。反響しない場合は密閉性が悪く音が漏れている可能性が高いです。
壁式構造は5階建てまでで採用されている方式ですので、6階以上のマンションに住む場合は必ずラーメン構造となっています。もちろん5階建てまででもラーメン構造はたくさんありますので、内見時は注意してみましょう。
壁の造り(ノックする)
②二重壁:防音性低い

101号室と102号室の間の壁、102号室と103号室の間の壁の壁を戸境壁といいます。

戸境壁には、画像のようにクロス直貼り(コンクリートに直接壁紙を貼る)と二重壁(コンクリートにボンドを塗り石膏ボードを貼りつけ壁紙を貼る)等があります。防音性が高いのはクロス直貼りです。
意外ですが、二重壁の方が防音性は低いんです。理由は石膏ボードをボンドで付けるのですが、ボンドが無い部分の空気の層が太鼓のように音を反響させてしまうからです。
では、どうやって見分けるかというと難しいですが、壁をノックしてみて、ゴツゴツと低い音がすれば防音性が高いクロス直貼り、コンコンと高い音がすれば防音性が低い二重壁です。
二重壁でも場所によってはゴツゴツと低い音がします。それはボンドが有る場所は石膏ボードとの隙間がない為、ゴツゴツと音がします。壁を複数個所ノックしてみて確認をしましょう。
!!!ここで注意!!!
鉄筋コンクリート造りでも戸境壁を石膏ボードと吸音材のみで造っている場合があり木造や鉄骨造りと防音性が変わらない物件があります。壁をノックしてみてずっと高い音がなっている場合は注意が必要です。
また、戸境壁にコンセントやスイッチが有る場合も壁の中に配線が通っているので、空間があり密閉性が悪く音漏れの原因となります。
天井、床のスラブ厚さ
②二重床工法:防音性低い
天井や床については、内見時でもなかなかどうなのか確認ができません。これは不動産屋事前にスラブの厚さ(天井や床の厚さ)、床の工法について質問してみましょう。スラブの厚さは20cm以上あると安心です。
近隣の環境
地図やストリートビューだけでは、周辺環境の騒音状況はわかりません。内見時に家の前の人通りや車通りは多いのか、どこや人が集まるようなお店はないのか等しっかり確認することは大切です。
追加費用を多く請求するところだったり、養生をちゃんとしていなく壁に傷をつけられた等、しっかりと確認してから引っ越し業者を選びましょう。
防音性の高い物件には住むには

鉄筋コンクリート造りであることは重要ですが、部屋と部屋を(戸境壁)区切る壁が石膏ボードのみの場合があり、木造、鉄骨造りとかわらず隣の生活音が聞こえる場合があります。
防音性を高めたいには分譲賃貸の最上階・角部屋の鉄筋コンクリート造り(壁式構造)のクロス直貼りが一番有効です。
ただし、この賃貸を借りる場合は都内だと1Kで家賃が10万円を超してしまうことも多く、家賃オーバーだよという方が多くいると思います。
鉄筋コンクリート造(壁式構造)・角部屋は最低限選びたいところですが、これでも家賃オーバーという方は角部屋をやめるのか、その場合は壁の造りについてしっかり確認しましょう。もしくは、他の条件(バストイレ同じ、駅から15分以内)を広げるのか自分の納得いく賃貸を探しましょう。
壁の造りや床・天井の造りがわからない場合、不動産屋に問い合わせて回答を得るのも有効な手段ですので、気に入った物件があれば内見予約時に壁の厚さや造り、天井の厚さについて質問しましょう。
まとめ
防音性の高い物件選ぶ6つの確認項目
- ①建物の構造:鉄筋コンクリート造りを選ぶ
- ②角部屋、最上階:角部屋・最上階は他の部屋からの影響が少ない
- ③築年数:30年以上の前の鉄筋コンクリート造りだと壁の厚さが薄いかも
- ④分譲賃貸:賃貸物件よりグレードが高く防音性が高い
- ⑤近隣の環境:緊急車両、線路等、音の出る環境は無いか
- ⑥口コミの確認:マンションノートを見て元住民のコメントを参考にする
内見時の6つの注意事項
- ①内見は居住者がいる時:居住者がいる休日に内見を行う
- ②壁の厚さ:玄関やベランダでだいたいの厚さを判断する
- ③梁、柱の有無:梁・柱が有る場合は無い場合より防音性は劣る
- ④壁の造り:数か所壁をノックし低い音がなれば防音性が高い、高い音がなれば防音性が低い
- ⑤床下・天井の厚さ:厚さの確認は難しい為、不動産屋へ問い合わせてみる
- ⑥近隣の環境:実際に音の出る環境で無いか聞いてみる